僕は基本的には土日は休みなのだが、平日に残業するのが好きではないので土日に仕事をすることが多い。今日も朝からデスクワークをこなし、昼前には伊東のお客さんのところへと出発した。
沼津から車で伊東に向かうとだいたい1時間以上かかる。昨年からもう何度か伊東往復のドライブをしているし、何より一昨日車で行ったばかりなのだ。
元来、僕は車の運転が楽しいと思う質ではないし、伊東へのコースは数パターンあれど全てが特に惹かれるものではなかった。今日が快晴だったら事情も違ったのかも知れないけど…。
そんな訳で今日は列車で伊東を目指した。
生涯のうちで僕が列車に乗る時間はそんなに多くないのだろうと思っている。まあ、田舎暮らしの人は鉄道網もないところで過ごしていたりするのだから、そういう人と比べれば「僕の鉄道頻度」は多いのだろうけど、自転車や徒歩の移動も好きなのでそんなに列車に乗ることはない。まあ、車にもそんなに乗らないのだけど…。
列車慣れしていない…ということも影響しているのだろうけど、クロスシートとかボックスシートの列車に乗ると旅情が高まる。今日も熱海から伊東までのほんの20分くらいの間だったが列車での旅に出掛けているような気持ちになった。
伊東への乗り換え起点となった熱海の賑わい振りは本当に凄い。平日にここを訪れても「今日って休日?」と思うほどに観光客で溢れかえっている。都内や首都圏からの交通の利便性と「近い割に旅に来た感覚」を兼ね備えているのだから人気があることにも頷ける。そりゃ「強気に宿泊税なるものも導入するよな…」とも思う。
その熱海からはそんなに遠くもなく、むしろ近くにあると言える伊東は熱海ほどの賑わいは見られない。その鄙び方とか寂れ方がイイのだよ…なんて言う「寂れた伊東マニア」みたいな人もいるのかも知れない。
町並みのあちこちに残る昭和風情溢れる店舗などを見ていると「この町はこのままであって欲しい。でも多くの人が訪れて町が元気づくといいな…」なんて完全に二律背反なことを考えながらこの町を後にした。