カボスについて

この秋はカボスをよく食べている。

「食べる」と書いてみたものの、青い実をミカンのように食べる訳などなく、絞り汁をよく使っているのだ。カボスの果汁はとてもジューシーで美味しい。

実は(「み」はではなく、じつは)スダチとの違いをそんなに意識していなかったのだけど、カボスの方がマイルドでビシャビシャに果汁をかけても、香りと酸味が奥ゆかしいように思う。そんな訳でこの秋は色々なものにカボスを絞って食べている。


さて、そんなカボスの名産地は大分である。僕はこの夏、友を訪ねて大分を訪れた。ご当地大分では夜の街の露天でも安価にカボスが売られていたが、大分に住む友に聞いた話ではカボスは人から貰うことが多く、ともすると金を払ってカボスを買うような意識はない…とのことだった。

田舎の僕の実家では裏庭に柚子の木があり多くの実をつけていた。冬になるとそいつをもいでは絞って使っていたから、柚子はわざわざ買うものでもないように思っていた。

しかし、大分の友の自宅に木あるわけでもないらしく人から貰ったカボスが足りているようなので、大分という土地は本当にカボスが人々の生活に根ざしているのだろうと思う。


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写真は数日前に食べた大根おろし
大根おろしにカボスをたっぷりと絞り土佐醤油をかけて食べるものは、それだけで立派な酢の物を食べるくらいに美味しかった。

なんの手間もかからず、料理とも呼べないような一品だけど、本当に美味いと思う。こうしたものこそ大口を開けて楽しみたいものだと思う。