続 ウエストサイド物語の思い出

「ウエストサイド物語」という歴史的な名作を僕がどれ程好きなのか?ということは先日、このブログに記した通りである。

今日はその続きを書こう。


3年近く前になるのだけど、その当時の僕は東京の都心部に住んでいた。そんまんま言うと築地に住んでいた。そんな築地の思い出はまた別の機会に記すが、都心に住むということで多くのことを得ることが出来たと思っている。

日本における文化の中心はやはり東京だと信じているが、やはり東京のという場所は「金を払えば日本一の文化水準体験」の出来る街だと思う。

だからと言って、僕はライブを見まくった訳でもないし、文化吸収のために活動的になっていた訳でもない。結局、怠惰な奴は怠惰な生活を送るのである。

…そんな怠惰な僕であるが、「ウエストサイド物語のオーケストラシネマが公開される」という事を知った時にはすぐにチケットを押さえた。


有楽町の国際フォーラムで鑑賞したことは「素晴らしい」の一言に尽きた。劇中の台詞以外の音は全て生で演奏されるのだ!

オープニングの劇中歌をまとめた序曲から、ジェット団のガキどもがやり取りするシーンの背景音楽に至るまで、劇における全ての音楽がオーケストラによってその場で生演奏されるのだ。これに興奮しない訳がない。

僕は「目の前でこの素晴らしい楽曲がここで生のオーケストラによって演奏されている」というだけで感極まってしまい、本篇がはじまる前から感動のあまり涙を流していたし、本篇の台詞にオーケストラが全くピタリと合致して演奏されているだけで感動は最高潮に達していた。

「ウエストサイド物語」という名作映画で知った人はオープニングの切絵のようなシーンに流れる音楽を知っているだろう。このあとに劇中で流れる珠玉のサントラを序曲としてオープニングシーンで流すという粋な計らいだ。

まさに劇中歌の良いところを掻い摘んで皆にワクワクさせるという狙いだと思うけど、このシーンの音楽だけで僕は感動して涙を流すほどにウエストサイド物語の楽曲が好きだ。レナード・バーンスタインは天才だと思う。


f:id:datetaira:20220215005135j:plain

そんなことを数日思いながら、僕はウエストサイド物語のビデオをヘビーローテーションでかけている。

「多分、今夜には何かいいことがやって来るのではないか?」そんな叶いもしない夢を持つトニーの気持ちを慮りながらビデオを観るのである。