沼津の名店

金曜日の夜に沼津にやって来た末娘と舎弟、この二人と遊んだことを今回も記す。

土曜日は朝(…と言っても10時過ぎくらいの昼に近い朝)から3人で散歩に出掛けて、昭和風情を色濃く残した惣菜屋コッペパンサンドを買い、外で食べた。

この「コッペパンサンド」を売っている店はフライなどの肉屋系の揚げ物惣菜と団子やおはぎみたいな甘味も売っている。そして、その店は古くから市民に愛される地元の店として有名のようだ。ネットでの情報だけど。

人気のある店なので数人の行列が出来てきたが、売り子のババアの接客はその人気に胡座を書いたようなものだったので大した店ではないのだろうと思った。町が廃れていき、競合店やら名物になりそうなものを出す店がなくなっていくと、どうでもいいような店でも偉そうに振る舞うものなのだろう。ノスタルジックだけで味など何と言うこともないコッペパンサンドを売るだけの店の態度がとても残念に思えた。桃屋という店だ。

 

パンを手に入れた僕たちはそんなに遠くもない公園に行き、そこからすぐ側の狩野川の河川敷でコッペパンを食べ、牛乳を飲んだ。コッペパンよりも牛乳のほうが美味しかった。

 

そして今日は昼食に「餡掛けスパゲッティ」を食べた。これは沼津に来てから割とすぐに食べ、その時に美味しいと思ったので今日は二人を連れて来たのだが、なんと1時間以上待つことになった。

店に列が出来ていたが、この店はホール係の接客から料理人の作業まで、あらゆるオペレーションが一体となって「客をやたらに待たせるシステム」が確立されている。

まず、ホール係のパートのおばちゃんたちはバカなのだろう。愚直に並んだ順番で客を店内へと案内していくのだが、一人で来ている客を平気で4人座れるテーブルに案内する。二人がけの小さめなテーブルもすぐに空くというのに。このあたり何も考えない(くらいバカ)だから、イス自体には空きがあるのに客の列は一向に減らないのだ。

そして、パートのおばちゃんは4人もいるのに、スパゲッティを作る料理人は一人しかいない。そもそも、餡掛けスパゲッティなんてものにはアルデンテなどないし、ドバッと作って次々に客に出していけばいいのに「客を待たせることが最上のサービス!」とでも思っているようで、その点では全く客のことを思いやる気持ちはなさそうだ。

また店の回転率を上げて多くの料理を出して利益を増やそうという商魂も一切持っていないようだ。僕が見ていると、少しだけ作業フローと客の案内工夫をすれば同時間で倍近い客をサバくことが出来るに違いない様子だった。

味はこの間のような美味しさはなかった。店のダラダラぶりやら効率を無視したバカな働き方をたっぷりと見せつけられた後に食べるものが美味いわけない。ボルカノという店だ。

この休日に二人の客人を連れて行ったこの2店は、僕が細かな批判をしたところでそれでもやはり沼津の名店なのだ。新しいものが揃って、そして隙のないサービスを受けられる都会ではないのだ、ここは。大袈裟な事を言うならば「アフリカで美味い鮨を求めるなんてどうかしている」「ハワイで熱々の鍋料理の美味さを味わえる訳などない」そんなものと思うべきなのだ。

こうした町の有り様というか町のスタンスを理解したうえでこの町と接していこう。そうすることが早くにその町とうまく付き合い、ここを我が住処にしていくコツなのだろうと考えている。