今日もスパゲッティのことを②

先月末から酒を飲む機会が増えている。

気持ちをリラックスさせるのにとても効果的なので…というか、そんな理由など別に関係なく酒が好きなので僕はよく飲むが、年末が近付き忘年会のように他人と飲むことが増えた。平たく言うと「仕事での飲み会が増えた」のだ。

これは会社の経費で会食をするのだから羨ましい…なんて思う人もいるかもしれないが、基本的には楽しくない。僕は経費などどうでもいいから、仕事上の会食などなくなったほうがいいと思うタイプだ。

「本質的には面白くもない」と思っているのだけど、そりゃ接待という名の列記とした仕事なのでそこに楽しさを求めるほうがどうかしている。そう捉えたほうが物事はうまく回るものだ。

そんな「苦痛を伴う業務」ではあるが、少しでも楽しいような勘違いをしておきたいので、宴席では活発に喋るし戯けるし、そしてよく飲む。そんなことだから、この数週間、ずっと胃が持たれてような感じだ。

胃の持たれた状態で臨む宴席では本当に食物が美味しくない。全て折に詰めて持って帰りたいくらい。しかし、そんな訳にもいかないので多くを残す。そして翌日は腹が減る。そしてスパゲッティを食べた…ということを今日は記す。

先週食べた「炒めうどん」とは一線を画す…どころか、全く別の食物である「伊丹も怒らないスパゲッティ」だ。

歯でスコッと切れるアル・デンテの麺、バターと数種のチーズを絡めたシンプルなものを、熱々のうちにわっと食べてしまうやつ。

注意を払って作ったところで所詮スパゲッティだ。湯を沸かして塩と乾麺を加えて、茹で加減に気をつけるだけ…の作業だ。大した作業ではないし、これは料理と呼ばれるものでもないように思う。

しかし、料理の美味さなんてそれを支度する手間に比例する訳ではないし、たまごかけ御飯なんて、ちゃんと炊いた炊き立てメシで食べれば凄く美味い。昔、割とちゃんとした値段を取る飯屋で昼飯を食べていた時、ピカピカの炊きたてでもないメシでのたまごかけが出てきた。そいつを美味そうに有り難がって食べている他の客が馬鹿の集まりのように見えた。この人たちはウチでちゃんと炊いた御飯を食べたことすらないのだろう。

炊きたてのメシのたまごかけ。ちゃんと茹でたシンプルなスパゲッティ。いずれも安価だし、しっかりと美味い。そして、外で食べるものではない。