飲み慣れんものを飲む。

今夜は仕事で少し離れた町に夕方から出掛け、雨の降る中を新幹線に乗って帰宅した。

表の店で酒でも飲んでから帰宅しようかとも少しだけ思ったのだけど、昨夜も会食で味気がないものとは言え御馳走を食べたので、新幹線に乗る前に一本の酒の缶を買い、そいつを頂きながら沼津に帰ってきたのである。

ウイスキー・コーク。

言葉としてはイイ響きだ。

酒の味なんか全く分かっていないけど、とにかく酒を飲むという行為に興味のある高校生の頃にこいつを飲んだ記憶がある。缶入りのものではなく、ウイスキーにコークを注いで自分で作ったものだ。

戸棚の奥に安置されていて、その所有者である父親も飲むこともないだろう…と勝手に判断してこっそりと自室に持ち込んだオールドパーという酒は、高校生の僕にとっては特別に旨い酒味わいもなく、そいつをグビリと飲んでみたいという欲望に突き動かされてコーラで割って飲んだのが僕のウイスキーコーク初体験だ。

その後、矢沢永吉の楽曲などでウイスキーコークというものに大きな興味は持っていたものの、特にうまいとも思うこともなく、時折思い出したように飲んでみたこともある「ウイスキーコーク」である。

今夜、久しぶりに味わったソレは、やはり特にうまいものでもなく、なんだかそれぞれの美味しさを両者が全力で打ち消しているような飲物のように感じた。