春のピクニック

5/3の出来事である。

東京にやってきた翌日は朝から山葵メシ(これはその後、嘘モノ鯛茶漬けになったのだが…)を食べてから、親子3人でピクニックに出掛けた。リュックを背負って山に出掛けるわけでもなく、下宿から比較的近いあたりを歩き回るのだが…。

20年前に僕は練馬に住んでいた。2003年からのことだ。そこで長男と長女は誕生した、彼らが幼稚園の頃に練馬を去った。7年前に子供たちと「懐かしの練馬のウチを見に行こう!」と見物旅行に出掛けたのだが、その時に既に大幅な道路工事がなされていて、随分と街の様子も変わってしまっていた。

大きな道路が出来ると本当に生活導線が変わる。知らないところに知らない道があり、知っていた住宅などの街の佇まいが全く知らないものに変わる。どこに何があるのかよく分からないままに歩いていたが、昔の住まいの周辺は開発されておらず昔と同じ風景でその懐かしさを噛みしめることが出来た。これは7年前のこと。

今回はそれを知っていたが、やはり知らない大きな道路が出来ているとそれには慣れるわけもないし、街の懐かしさも随分と低下するものだ。

そんな「昔の住まい」を中心とした練馬の田園地帯を僕たち親子は歩き回る。マンションが立ち並ぶところの脇道には多くの植物が生えていて、タンポポがその綿毛を少しでも遠くに飛ばそうと懸命に背を伸ばしていた。その傍らではカラスノエンドウが真っ黒に実を熟させていた。

夏に差し掛かること、そして春が終わることをそこらに生息している植物の成長で感じるられることはとても幸せな時間だった。

その後の僕らは光ヶ丘公園まで歩き、近くのスーパーでパンやらサラダやらカツなどを買って、公園でサンドウィッチを作って食べた。

移動距離は電車で僅か、徒歩で4キロくらい。身近な場所を身近なメンバーで歩いて、そこで感じることを喋る。他愛もないことのように思う人も多いと思うが、贅沢な時間の使い方でありとても楽しいことだと思っている。