「部屋」に呼ばれる

…と言っても、どこかの女性に招かれた色っぽい話だったりだとか力士を目指して入門する話とかではない。

今朝みた夢の話をする。

不思議に思うのだけど、見た夢というのは目を覚ました瞬間は覚えているのにその後すぐに忘れてしまう。

経験的にそんなことも知っているから、目が覚めた途端に頭の中で夢の内容を反芻して忘れないように努力したりする。しかし、反芻して記憶に残したはずの夢も、気が付いたら大半を忘れてしまっていることも多い。というより、見たはずの夢のほとんどが忘れ去られてしまう。


今現在、目を覚ましてから既に数時間が過ぎているので、失われた部分もあるだろうが、その世界では、僕は引っ越し先となる家を探していた。夢の中では実際の引っ越し先とは全く異なる街で不動産物件を探しているのだ。

そんな折、一軒の賃貸物件のことを思い出した。古い一軒家だけど広くて賃料も安いところだ。僕はかつて僅かの間なのだけど、そのウチに住んでいたのだった。

その瞬間を迎えるまで忘れていたのだけど、思い出してみるとそのウチはやはりいいウチだった。明治や大正の頃に建てられたかのような古い洋館なのだけど、部屋の広さの割とには適度にコンパクトだった。

屋敷をうろうろしていたら、なんと離れまであってこの物件の目には見えなかった広さにも驚いたことを思い出した。夢なのだから、辻褄の合わないことも普通に起きるのだし…。

…と、思い出のウチのことを書いているが、今朝見た夢ではそのウチを訪れてはいない。今回夢に見るまで忘れていたが、僕は過去に2回くらいこのウチの夢を見ていた。そして、その事を今日まで忘れていたのだ。

過去の夢の中では、僕はこのウチの住人となり、引っ越してきて家具のレイアウトを考えたり、敷地内をうろうろして「離れ」を見つけて驚いたりした。友達を招いたりもした。全て過去の夢の中でのことだけど。


これまで、この事を思い出すこともなかった。久しぶりに見た夢で「過去の夢の続き」と「今の境遇」のミックスが登場したことにとても驚いた。

夢に見たウチは一軒家だけど、僕が今住んでいるマンションになんだか似ていたものだった。間取りとかデザインではない。部屋の中の空気感というか、表情というか…。


このマンションを間もなく離れる寂しさが見させた夢だったのか?それとも本当にそんな家が実在していつか僕が住むことを待っているのか?そんなウチが僕を招くつもりで見させた夢だったのか?どちらかは分からないが、なんだか不思議な気持ちで朝を迎えた。

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うろ覚えなのだけど、こんな感じのウチだった。
青い瓦が今のマンションの雰囲気なのです。