「北の国から」を見終えて②

リアルタイムでは見ていなかった「北の国から」であるが、非常に共感することも多くあり、本当に見て良かったと思うドラマだった。

もっと早くに見ておけば良かったかと思うと、それはそうではない。

若い時期に見ても共感することが多かったと思うのだけど、きっとドラマにカブれてもっと早い時期から現代社会への反発を考えて、それを行動に起こしてしまい、今頃の僕は完全に世捨て人みたいになってしまっていたのでないかと思う。


このドラマを見たのは田中邦衛が亡くなったからだ。
追悼特集でテレビで放送していたのを見て興味を持ち、ネットで見ることになった。

タダで転がっていた動画で10話くらい見たところで、その動画は消去された。いいところまで見ていたらいきなり続きの部分は消去されていたので残念に思った。

ドラマはの台詞的に言うならば「まだ僕が見ている途中でしょうが!」だ。…まあ、違法にアップロードされたものを見ているだけなのだから、大きなことも言えないのだけど…。


この続きをどうしても続きを見たい…と熱望していたら「フジテレビのオンデマンドサービス」で全編を見ることが出来る事を知った。そのサービスは入会から2週間であれば、2週間で退会するならば、課金されずに見ることが出来る。

そんなことから、この2週間は「北の国から」を見まくった。仕事から帰って食事の支度をしながらドラマを再生する。そして酒を飲みながらドラマに没頭する2週間だった。

そして今日が2週間目だった。全編を見終えた僕は、そのオンデマンドサービスを退会した。これでこのドラマを見ることは出来なくなる。


21世紀も20年ばかり過ぎたところで享受できる「便利過ぎる環境」。そんな環境をフルに活かして僕が没頭したドラマは「便利な社会に抗う不器用な男のドラマ」だった。

電気も無ければテレビなんて当然に無い。
不便な中で暮らしていても生活の確かさだけは見いだせる…そんな人間模様を全てが満ち足りた便利な部屋で愉しむ僕…。


矛盾していることは否めないが、田中邦衛が演じた黒板五郎のような生き方に憧れる。