七夕の思い出

今日が七夕であることは、数日前には気が付いていたのだけど、すっかりと忘れていた。

今朝になってそれを思い出して、部屋の飾り手ぬぐいを七夕のものに変えてから仕事に出掛けた。


先週、梅雨明けをしたとは言え、この数日は一日のどこかで雨が降っているし、カラッとした気持ちのいい夏の暑さなど当分期待できそうにない状態だ。

夜になって職場から歩いて帰宅していると雨がポツポツと振り始めた。織姫と彦星にとっては「今年はハズレ年」ということになるのだろう。


子供の頃は七夕のためにおじいちゃんが笹を軒に立ててくれて、僕はそこに折り紙やら広告用紙なんかで飾り付けをしていたことを覚えている。

今から40年以上前のことだが、日々の生活の中にゲームやら音楽やらいつでも再生出来る面白い映像とか、今では当たり前のような娯楽もなかった時のことだ。

しかし、思い出してみると七夕の飾りに限らず、端午の節句に柏餅が蒸しあがるのを楽しみに待っていたり、中秋の名月に団子を食べたりと、四季折々の楽しみ方は今とは比較にならないくらい大きな意味を持っていたように思う。

小学校ではプールに入る水泳の時間にも慣れてきて、夏休みが近付いていることにワクワクし始めるこの時期に「七夕集会」と銘打たれた「お楽しみ会」も開かれていた。

当番になった学級がクラス単位での劇とか歌とか出し物を披露する学芸会のような集会だった。

そこには酒もなければお菓子もオヤツもなかったが、準備の機関を含めてワクワクして、楽しく過ごしていたように覚えている。


懐古主義になる訳ではないが、娯楽が簡単に手に入る時代ではなかった昔のほうが、一つ一つの娯楽に対して鮮明な思い出が残っているように思う。