山山葵という植物

タイトルは「ヤマヤマアオイ」と読めるのだけど、そうではない。「ヤマワサビ」と読む。

春の味覚として山葵をこよなく愛する僕がこの「山山葵」に出会ったのは、もう4年くらい前のことだ。ホースラディッシュはその前から食べたことがあったので、細かに言うともっと前から接しているのかも知れないが、改めて山山葵もいいな…なんて思ったのが4年くらい前のことなのだ。

北海道に縁のある後輩から「セイコーマート山わさびラーメン」とか「セイコーマートで売られていたわさびスナック」みたいなものを貰って食べて、その常軌を逸した辛さと鼻に抜ける爽やかさにブッ飛んだ。往年のプロレスラー風に言うならば「…飛ぶぞ!」がそこにあった。

そうしたセイコーマート商品を楽しんだのと同じ時期に、何やらかにやら別の機会を得て北海道に旅をしたのだが、その時は山山葵には接することがなかった。

さて、このブログの文中ではあるが「山山葵」という表記には違和感しかない。僕が書き出しておいて何なのだが、この先は「山わさび」と標記することにしよう。

その「山わさび」だが、北海道では随分とメジャーな食物のようで瓶詰にされたものなどが売られている。前述の「北海道に縁のある後輩」は僕が山わさび製品を喜んで食べるのを見て、別の機会に瓶詰めの山わさびなどもくれた。

これを熱飯の上に乗せて醤油を掛けてかき込むのもとても美味しかった。山葵の持つ揮発性の高い爽やかな辛さが好きなのだ、僕は。

 

そんな訳で去年の春にホームセンターに出掛けた際に「山わさびの苗」が売られているのを見つけたので2本ばかり買ってきて、ベランダのプランターに埋めておいた。山わさびという植物はとても丈夫で放っておいてもすくすくと育っていき、秋くらいには収穫できるとのことだったので本当に放っておいた。

しかし、夏頃になっても一向に成長の様子が見られないのでプランターを掘り返して見たところ、山わさびの苗は何の痕跡も残さずに姿を消していた。誰かがほじり返して苗をどこかに持っていったのではないか?と思うくらいに…。

何がマズかったのか?という検証はしていない。しかし、今年も僕は2本の山わさびの苗を買ってきてプランターに植える。

僕は種を植えたら数週間で芽を出し、そして二月もすれば収穫が出来るものばかり育ててきた。そうした促成栽培向きのものとは違い、山わさびは多少じっくりと待つことになるのだけど、今年は忽然と姿を消したりしないように時折様子を見ながら山わさびと付き合っていきたいと思っている。