山椒を植え替える

まだ日曜日の夕方前であるが、この土日は天気もよくゴールデンウィークを思わせるようなスッキリとした気候だった。

統計的にゴールデンウィークが行楽日和になるのかどうかは分からないが、4〜5月あたりで気持ちのイイ気候の日があると「ゴールデンウィークみたいだ!」と喜んで言うのは僕の癖かと思う。

そんな気持ちのいい空気が流れる中、僕は山椒の植え替えを行った。

 

去年の秋、アゲハ蝶の幼虫たちが好き放題に食べてくれたお陰で僕の山椒は相当なダメージを食らっていた。まだ、苗のような状態の山椒だったが新しくて柔らかな芽が出てくると青虫どもがあっという間に食べてしまっていた。

その後、僕は青虫を虫籠に隔離して、そいつらのために3日に一度くらいの頻度で新鮮な蜜柑の葉っぱを探しに出掛けたりしていたのだが、青虫の幼虫の食欲というものはとにかく凄まじく、放っておくと山椒の幹までバキバキと齧られるのではないか?と思うくらいだった。

そんな青虫たちの襲来に見舞われて冬がやって来る前にとっくに丸裸になってしまった山椒が無事に春を迎えられるのか心配したのだが、この春からの成長の様子は少し前にこのブログにも記したとおり。

さて、暖かな陽射しと爽やかな風が吹くベランダで「柔らかな新芽を出した山椒」を眺めていたら、なんだか声が聞こえてくるような気がした。

「聞こえますか?私はベランダの山椒です。あなたの心に直接話しかけています…。…なんとか春を迎えられ、元気に芽を伸ばしていますが、なんだか窮屈です。率直に言うと狭いのです。さっさと広いところに移しなさい…。」こんな声が聞こえるような気がしたのだ。

 

そこで僕は一回り大きな鉢を買ってきて、山椒をそちらに引越させることにした。

枝葉などなく幹だけになって、なんの木なのかもよく分からないものになっていた山椒だが、人知れず鉢の中ではギチギチになる程、根っ子を伸ばしまくっていた事に驚いた。

一月くらい前から芽を伸ばしてきた山椒もたっぷりの若葉を茂らせている。この時期に植え替えをすることが園芸のテクニックとして正解なのかどうかは知らないが、広々とした鉢に移って山椒も喜んでいるような気がした。

これから僕は筍を食べる時期を迎える。筍を食べる際は一口に数枚の山椒の葉を添えて口に入れる方が美味しい。刺身に山葵、おでんに辛子…と同じ様に「筍に山椒」は僕にとっては欠かすことが出来ない取り合わせだ。

今年は山椒の葉を買うことなく、大口を開けて筍を楽しむ春になりそうだ。大きな鉢に移った山椒がそのくらいふんだんに葉を茂らせてくれることを望んでいる。

こうして山椒の成長を考えていると、先日広い下宿に引越してノビノビと過ごしているであろう長男と長女のことを思い出した。彼らにも山椒と同様に沢山の若葉を茂らせて欲しい。