長女がウチを巣立ち、僕と末娘は二人一緒に勉強する時間を増やしている。
「増やしている」という表現は間違いかも知れない。わりかし馬鹿な末娘は彼女なりに希望する人生設計…それは高校に行って大学にもいきたい!という全く漠然としたようなものなのだけど、そんな未来予想図(©吉田美和…)を描き始めた。
僕は父親として彼女の思い描く未来図をそれなりに実現させてやりたいものだと思う。ならば、勉強すればそれなりに得るものがあり、努力が成果に繋がることの楽しさを分からせてやるのが「ある種の父の使命」だと思って一緒に勉強している。
結果的には「勉強時間を増やしている」のだけど、厳密に言うと「増やさんとどうにもならん!」状況なのだ。
たいそうな教育者のようなことを書いてみたが、そもそも僕も勉強することが好きな性格ではないし、そんなに遺伝子をしっかりと受け継いでいる末娘なのだから、なかなか勉強は捗らないのだけど「千里の道も一歩から」とばかりに勉強機会を増やしている状況である。
そんな末娘にとっても先週末から「中学3年生」としての新年度が始まった。
新しいクラスでの一年が始まる時なんてものはドキドキもするし、期待が大きければ大きいほどガックリとすることもある。そんなに気持ちので新年度を迎えた末娘によると「新しいクラスはいいこともあるし、良くないこともあるようなメンバーだったよ。」とのことだった。
まあ、これは小魚のような中坊が感じることだから「そんなメンバー構成だけで貴重な一年が左右されることなどないように!お前自身がやりたいようにやれるように周囲を巻き込んでいけばいいんだよ!」と偉そうに指示をしたのだけど、末娘からは「自由と個性でハミ出して行きます!(礼!みたいな変なポーズ…を末娘もポージングする…)」という反応があった。
これはこの数日、末娘との会話において頻出する「新しい学校のリーダーズ」なる集団の自己紹介とのことだった。そもそも末娘による彼女等の自己紹介コピーがあっているのかも分からないし、末娘によるコピーが正解であったとしても僕の記憶が間違っているような気もする。
まあ、そんな「新しい学校のリーダーズ」の台詞を引用したり、彼女たちの音楽動画を見ながら、僕たち父娘は勉強後の夕食の時間を過ごした。
末娘が「新しい学級のリーダー」になれればいいのだろし、「新しいバスケ部のリーダー」になってもいいのだろう。そんなに感じで各方面で活躍出来る子になって欲しいという「親の高望み」もあるが、そんなことを出来る子は自然に当然のようにそんな風になるのだろうが、末娘にはそんな野望もなければ、そこまでの力量も持ち合わせていないようだ…。
人には得手不得手もあるし適性もある。しかし、結果はともかく、とにかく「手前の力量で頑張れることだけは真剣に頑張る」ということは潜在能力やセンスに限らず誰であって出来ることだ。
「新しい学級のリーダーズ」にならなくても良い。ただ、自分自身の心の中では嘘をつくことなどなく「青春日本代表」と胸を張れるくらいにやりたいものについては全力で取り組んで欲しいと願っている。