新潟という町

昨日と今日、初めて新潟市を訪れた。

火曜日の昼過ぎに新潟に到着して水曜日の昼には新潟を発ったから新潟への滞在時間は24時間。今回は仕事の会議〜懇親会の目的でやって来たのだから、僕が自由に行動したことは僅かだった。

懇親会ではおそらく新潟随一の繁華街である古町の居酒屋〜バー〜蕎麦屋でのへぎ蕎麦…という新潟フルコースが用意されていた。

こうした饗しの事前準備をしてくれる幹事への感謝は忘れてはならないのだが、仕事での会議で集まった際の懇親会というようなものは、やはり「よそ行きの店」であることが多く、払った会費の割には上滑するような軽薄な味わいだった。

そんな夜を過ごした翌日。僕は以前から食べてみたかった「バスセンターのカレー」なるものを食べた。

これは文字通り、新潟市の中心街にあるバスセンターのカレーだ。立ち食い蕎麦のような感じで…というか、立ち食い蕎麦屋そのもので出されているカレーライスで、僕はこの1〜2年くらいのうちにそれを知った。

見るからに日本古典スタイルの小麦粉カレーなので特に興味はなかったのだが、この度新潟市に足を踏み入れるのならばやはり一度は食べておこう…と思ってのことだった。この見立ては全く正しく、カレーのルーはメシにメシがかけられているのではないか?と思うくらいに「ズシリとした小麦粉感に溢れたもの」だった。クリームシチューのような粘性は通り越していて、クリームシチューからクリームコロッケに向かう途中くらいの重さが近いのではないかと思う。

今回宿泊したホテルでは朝食も付いていたので、セコさ全開の僕は「それを食べないと損する」ような気持ちで朝からメシを食べたのだった。そのメシを食べてから3時間後くらいにカレーライスを食べるのだから、僕はミニカレーにしておいた。これは前日の会議で一緒だった旧知の友人からの情報により「ここのカレーは量が多い」と知っていたからだ。

食べてみての感想だが、メシの量もそれなりにあるから「確かにミニカレーではない」のだけど、これは純粋な量によるだけのものではなく、小麦粉含有率の高さによる「重さ由来」のもののようにも感じた。冷えるとガチガチに固まるようなやつだ。

そうそう、これを書きながら気付いたのだが、このカレーは安いカレーパンに入っているカレーフィリングみたいなものなのだと思う。勿論、肉や野菜も入っているのだけど、それよりも小麦粉による粘性が強いやつ。

昭和中期の腹をいっぱいにすることが、まだ優先されていた時代の家庭カレー。そんな懐かしいものに接した気持ちだが、特に美味いものでもないので僕はもう食べない。