Pensive Miss

タイトルは「ペンシィブ ミス」と読み、直訳すると「重大なる過失」となる。これはカウントベイシー楽団の佳曲のタイトルでもある。今日はそんな「今年やってしまったミス」について書く。

2024年が始まって40日くらいが過ぎた。今年のうちのもう10%以上が過ぎている。この間に僕が犯してしまった失敗は幾つかあるが、まず仕事での過失は今日のブログからは除外する。そんなに多くもないのだが、仕事のことについては特にここに記して残したいと思わないからだ。

日々、仕事では日々新たな課題やら取り組むべき施策は発生しているのだけど、それを除いた普段の生活についてはそんなに変わったこともない日々が続いているし、50年も生きていると僕の生活そのものが割とパターン化されているのだから、日々の生活でミスを起こすことも滅多にない…なんて思いたいのだが、やはりミスは起きてしまう。

既に今年一番のミスになるのではないか?と思えるものとしては、長年愛用していた急須を割ってしまったことだ。

これはもう3週間前のことになる。急須の奥にある皿を取り出そうとした時に、手前の急須に皿があたり急須が棚から落ちてしまった。30センチくらいのところから床に落ちた急須はパリン!というような感じではなくグシッ!というような柔らかな感じで、あまりにも簡単に割れたのだった。

10年以上前に買い求めた萩焼の急須。一人でお茶を飲むには少し容量が大きいようにも感じていたものだが、梅花皮の質感が素晴らしく「一生大切に使おう」と気に入っていたものだった。

そんな一品との別れはあまりにも呆気ないもので本当にびっくりしたが、その瞬間は酒を飲んでいたこともあり、酒による麻酔効果なのかそこまで絶望はしなかった。酒による酔いが心的なショックを和らげてくれたのだろうが、酒を飲んでいなければ急須が物理的なショックを食らって割れることもなかったのだから、酒に酔った我が身を攻める他ない…。

気に入っていたものであるから、代わりの品など簡単には見つからない。酒の麻酔により多少のショックは和らげられているもののやはりショックであることには違いない。

そんな僕の脳裏に浮かんだのは「そうだ!修理をすればいい!金継ぎという日本古来の修理技術者があるはないか!」というアイディアだった。

金継ぎにはそれなりに金もかかる。そして何よりも時間がかかる。しかし、修復不可能な訳では無いのだ…そう考えると、随分と気持ちは楽になった。

これが「本当に取り返しのつかないペンシィブミスじゃなくて本当に良かった…」そんなことを考えながら、その安心感からか未だに急須を修理に出さないダラしない僕がいる…。