datetaira’s blog

日々の生活で思うこと

伝統の漬物が消えると言うが…

このところ、良質の野菜を手に入れる機会に恵まれているので漬物を漬けまくっている。

パリッとして旨味も濃い四葉胡瓜が安価に手に入ること、そしてベランダ菜園の紫蘇も勢いをつけてきて、紫蘇も買わずに手に入るようになったことによるものだ。

不味くて高い胡瓜はやはり漬物にしても不味いし、そもそもそんな胡瓜を買うことも金が惜しいし、それを食べることも口と胃が惜しい。また、青柴漬けを香りよく仕上げようと思ったら結構な量の紫蘇が要るのでこれを買ってくるのも惜しい。

あらゆる条件が揃って心置きなく漬物を漬けて大口を開けて食べられるというのは幸せなことだ。幸せでないのは「この美味い胡瓜は沼津には売られていない」ということくらい…。近くに売られできるならばどれほど幸せなことか!

さて、そんな訳で僕の食卓には「青柴漬け」の登場頻度が増えた。この漬物は作る面白さもあるが、何よりも美味い。

糠床に繁殖した乳酸菌を野菜の内部に浸透させる糠漬けよりも、塩漬け野菜自体を乳酸発酵させて作る漬物の方が僕の口には合っているようだ。胡瓜の歯応えと生姜の辛味、それらが紫蘇の香りをまとった爽やかな旨味は酒に合うことは勿論、飯にもよく合う。

今年の初物になるやつは3週間くらい前に漬け込んだのだが、1週間の漬け込みと1週間の熟成期間を経て先週から賞味している。これは遊びに来た舎弟にも瓶詰めにして土産に持たせたし、上のガキたちの下宿にも送った。漬け上げてからの冷蔵庫での熟成によって酸味が徐々に旨味に変わり、味が変化することことも本当に楽しい。

そして、先週漬け込んだ第二号は末娘にも届けた。こちらはまだ熟成途中なのでこれからの味の変化が期待されるし、まだあまりに爽やかな「お新」のような味がする。

世の中では「法改正による漬物文化の衰退」が懸念されている。これまで手軽に買っていた売場からお気に入りの漬物が消える…ということを寂しく感じる人がいることは否定しない。しかし、そこまで寂しいならば「自分で作ればいいじゃないか!」とも思う。