冬の白菜漬け

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漬物を漬けるのが好きだ。
食べるのも好きだが、漬けるのも好きだ。
漬けたものが乳酸発酵し、酸味と共に旨味が出てくる成長を体感することは、RPGとか何かの育成ゲームをやることとは比較にならないくらい面白いものだと思っている。

通年の糠漬けのほか、季節毎に漬物を作るのだけど、白菜に限ったことではなく、漬物というのは本当に面白い。



正月の食卓に美味い白菜漬けを並べたい。日々の努力の発表会の場が元日であるかのように正月を迎える。今年は11月の末に白菜を仕込んだ。

塩をして水が上がり、生野菜だった白菜が塩漬けになる。勿論、浅漬けとしてこの段階で食べてもそれはそれで美味いのだけど、白菜が酸味を帯びてくるところからが漬物の楽しさだと思う。

乳酸菌とともにどこから出てきたのか分からないほどの旨味が発生する。漬物のことを良く分かっていない頃は「白菜が傷んでしまった」と思ったりもしたのだが、表面に滑りが出てきたり、相当に酸味が出て来た後から旨味が出てくるのだ。

2~3週間、桶で塩漬けにした後で白菜を軽く絞り、タッパーに入れて冷蔵庫で熟成させる。相当に寒い冷蔵庫の中でも乳酸発酵はゆっくりと進み、酸味と旨味のバランスのとれた美味しい漬物へと白菜は昇華していく。

白菜と塩の分量、漬け込む期間やコツのようなものもネットで調べれば便利な情報を得られるだろう。しかし、そうした知識は極力排除して、自分の勘と塩梅を試行錯誤で体得していきたい。そんな訳だから、年によって出来の良し悪しには差が生まれる。それでいいのだ。そうやって作ってみることが楽しいのだから…。

この7~8年続けてきた白菜漬けも大体安定的に美味しいものを楽しめるようになってきた。「堂に入る」レベルはまだ先にあるのかもしれないが、この冬も白菜漬けを美味しく食べられていることに感謝している。