好きな食物

ゴールデンウイークも終わり、いつもの日常が戻って来た。

そんなに早くもなく、そして遅くもない時間に帰宅して、ウチで寛ぎながらウイスキーを飲んでいる。いつもの日常である。

しかし、長期休暇を取ったあとの仕事終わりは「休暇貯金」とでも言うのだろうか、なんだか余裕を持って生活に向き合える気がする。

仕事から帰って急いで夕飯の支度をして、寛ぐ為にいそいそと行動することすらなんだか懐かしく、言い過ぎかも知れないけれど特別なことをしているような気すらするのだ。



さて、こんな夜に思ったことを今日は記す。

僕は食いしん坊であるから、なんやかんや言って大抵の食物が好きだ。そんなイヤシイ僕にも気持ちの上で一番好きな食材と言うものはある。

それは鳥貝だ。

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この写真は今のものではない。
3年くらい前のものだけど、この年は「鳥貝のあたり年」だった。

生産地と言うか収穫地のことをちゃんと知らないから軽率なことは言えないのだけれど、生の鳥貝が何度か僕の利用するスーバーの魚屋に登場したのだ。



生の鳥貝を塩茹でにしてバクバク食べる………
今、想像してもこれ以上に美味しいものなんて思いつかない。

それから数年…。
ゴールデンウイークの前後になると、魚屋の店先に生の鳥貝が売られていたりするのではないかと期待しながら、マーケットを訪れる僕がいる。

街ゆく女の人の指にルビーの指環を探す寺尾聰よりも、ギラギラした目付きで鳥貝を探す僕がいる。

今年の春も鳥貝には出会えないうちに夏が始まるのだろう。この先、何度スーパーで安売りされている生の鳥貝に出会えるのか分からないけど、こうした期待感も楽しいものなのだと思って生活したい。