【旅の思い出】旅先で飲み食いして思ったこと

今週の火曜日から夏休みで、夏休みに入るのを待って旅に出た。

今年の度は大学生の息子と一緒で、郷里に向けて18切符で旅に出たのだ。

初日の昼は京都で下車し、イノダコーヒに立ち寄りアイスコーヒーとカツサンドを食べた。三条店に行ったところ改装のために閉店していて、仕方なく本店を訪問した。

本当は三条店のチーズサンドを食べたかったのだが、あれは三条店でしか見たことがない。本店のメニューにも乗っていなかったので、せっかくイノダに来たのだからとカツサンドを頼んだ。

一応美味しいのだけど、一皿2,000円のサンドイッチである。値段を考えれば当然美味しくあって欲しいし、冷静に値段のことを鑑みると特に美味いものでもなかったように思う。いや、むしろその逆で今後これを頼むことは二度とないと思う。

カツサンドには閉口したが、この喫茶店の佇まいは素晴らしい。この空気を吸って、この場所で寛ぐためにコーヒーを頼んで空間代を払っているのだ。


飲食店の対価の捉え方をついつい食べるものの原価ばかりで考えてしまうのだが、空間代やスタッフのサービス料というものが大きな価値を占めるところもある。

そこには「美味くて安いものを求めて来ているのか?」「気持ちのいいインテリアや佇まいを感じに来ているのか?」「気前よく高価なものを支払い、スタッフのサービスを受けに来ているのか?」こうした目的を混同したり、間違えていると全くその店の良さを感じ取ることは出来ない。

そして、こうしたことは飲食店の選定に限らず、日々の生活の中でも「的確な選択」が必要とされることは多い。


イノダでの時間を楽しんだ僕たちは暑い京都をぶらついて、たかばしの新福菜館へとやって来た。

第一旭新福菜館、京都にやって来たらどちらかを食べておきたくての訪問だが、実は少しだけ第一旭の方に行きたい気持ちがあった。店の前まで行くと数日間の臨時休業だったので新福菜館に行ったのである。

どうも今回の京都では本命に振られる流れになっていたようだ。

一時間くらい前に楽しんでいたコーヒーと似たように黒いスープとたっぷりの麺、そして食べても食べても減らない焼豚。800円で楽しめる新福菜館の魅力は「佇まいやサービス」ではなく「ストレートに胃袋で受け止める美味さ」なのだ。

息子と二人、汗だくになりながらラーメンを啜り、更に汗だくになりながら駅へと向かい、僕たちは2つの店の魅力を反芻しながら京都を後にした。