はらぺこあおむしの巣立ち

我が家のはらぺこあおむしはもう一週間ばかり前に蛹になっていた。

当たり前だけど、蛹は何も食べないのだけど、小さかった他の黒虫(まだ緑ではない小さな幼虫)も食欲旺盛に柑橘類の葉っぱを食べまくり、立派な青虫へと育っている。

3日に一度くらい僕は柑橘類の葉っぱを採取に出かけているが、鉢植え程度の大きさの柑橘に木であれば、数匹の青虫に襲われただけでも葉っぱをまるはだかに食い尽くされてしまい、簡単に枯れてしまうのだろう。

さて、そんな青虫たちの長兄となる蛹が遂に羽化した。昨日の出来事だ。

朝、その様子を見た時には、なんだか蛹の先端の方の色が少しだけ茶色くなっているように思えた。羽化する時期もそろそろなのか?と少しは考えたのだけど、まだ数日先だろうと思っていた。

そして、帰宅して見てみると蛹は既に羽化を済ませていた。

紛うことなきアゲハ蝶で鮮やかな羽の模様である。昼間のうちに羽化したアゲハ蝶は弟や妹にあたる青虫たちのある虫籠の中で大人しく過ごしていた。

今夜からは雨が降る。そして台風の影響で明日も明後日も天気予報は雨だ。なにもこんな日に羽化しなくてもいいのに…。狭いところから広々とした空に出ていっても早速の雨は辛いぞ…。

そんなことを思ったりしたが、羽化してしまったものは仕方ない。そしてまだ、雨は降り出していない。子供の頃、夏の夜にカブトムシを捕まえに森に出かけたりしていたが、真っ暗な中でもクヌギの木には蝶が集まったりもしていた。きっと蝶は夜行性なのだろう。

今、飛び立てば、雨の振らないうちに少しでも安全な場所を見つけて根城を探すことも出来るだろう。

そんな思いから、我が家のアゲハ蝶となった青虫1号の巣立ちを見送った。大飯食らいだった青虫1号も「きらびやかな夜の蝶」となり世の中へと旅立つ。無事、しあわせに過ごして欲しい。