10月になった。今年も4分の3が終わった。
時の流れというのは早いものだ。この間、見つけたばかりたと思っていた我が家のあおむしどもも次から次へと蛹になっている。
先週、はらぺこあおむし1号が豪雨の前夜に蝶となって旅立ったが、来週末までには2号3号あたりが羽化するものと見ている。
さて、今日はそんなあおむしの蛹を見ていて知ったことを記しておく。
うちのあおむしたちにとって、虫籠の蓋の裏というのは心が落ち着く安全な場所に思えるのだろう。大きくなったあおむしたちは蓋の裏によじ登りそこで蛹になっている。
しかし、中には蓋の裏が好きじゃないやつもいるみたいで、そいつらは餌として虫籠に入れていた蜜柑の木の枝にへばり付いて、そこで蛹になるものも現れた。
この写真を見ていて思うのが「あれ?緑のやつと茶色のやつがいるぞ」ということだ。
確かに僕が子供の頃に見ていたアゲハ蝶の蛹は茶色だったようにも思っていた。しかし、ウチのあおむしたちがそのまんま「あおい蛹」になる様子を見て、羽化して殻になった蛹が茶色くなるのか……なんて風に軽く考えていた。
しかし、自宅の虫籠にいる蛹たちの「歴然とした色の違い」を目にしてしまうと、この違いへの探究心が抑えられなくなった。抑える必要もないのだけど…。
僕のウチの幼虫たちはナミアゲハもいれば、クロアゲハもいる。このことは幼虫の体側の色を見れば違いが分かる。ならば茶色い蛹にはクロアゲハのものなのか?なんて推測したりしたのだけど、蛹になった順番から判断すると「茶色い蛹はナミアゲハのもの」のはずだった。
では一体?
これをネットで調べたのだが
足場がザラザラしたところで蛹になったものは茶色くなる。そして、足場がツルツルしていると緑の蛹になるそうだ。自らの蛹のカラーリングを足の感触を頼りに決めているとは知らなかった。
これは蛹になってしまうと10日曜〜2週間くらい身動きがとれなくなった時に、少しでも外敵から身を守るあおむしの知恵だった。茶色い蛹は自らが枯木の枝で過ごすことを想定していて、少しでも我が身を枯木に似せて外敵の目を引かないようにしているのだった。対する緑の蛹は柑橘の葉っぱが青々と茂っているところでの生活を想定している。彼らは緑色の蜜柑の葉っぱに擬態しているのだ。
最初のあおむしと出会ってから、彼がウチを巣立つまでは1ヶ月弱点だっただろうか?この間、彼らの様子を見ることで改めて知った知識も多いし、何より生きることへの必死な姿勢に感動した。