すきやきの思い出

もう一週間前の出来事なのだが、すきやきの用の「イイ肉」をいただいたので、娘たち二人と共にすきやきを楽しんだ。

「すきやき」という食物は細かなことを言い出すとキリがないくらいに色々と意見があるのだろうけど、やはり御馳走だし人を喜ばせる料理の代表書くなのだと思う。

割下でグツグツ始めるものであっても、砂糖醤油でコテコテと肉を焼いて始めるものであっても、何にしても牛肉を葱をはじめとした野菜と共に鍋にして食べるのは美味しい。

小さな頃の思い出なのだけど、母方の実家では正月に親戚が集まるとトドメの夕食はすきやきだったように思う。

子供の頃なんて、正月の2日なのか3日に皆で午前中から集まると昼食から御節料理とか雑煮とか「よくある正月料理」を食べながら、久しぶりに会う従兄弟たちとトランプやらカルタで遊んで、楽しい時間を過ごしていた。

僕の親戚には酒を飲む叔父さんたちが多かったので、大人は「酒の力を借りた楽しい語らいの時間」を過ごしていたのだろうけど、夕方あたりには僕はすっかり飽きてしまっていて、そろそろウチに帰って自室で漫画でも読んでいたいな…なんてことを考えている年も多かったように思い出される。

僕の母親を含めて、親族のオバさんたちは皆で炊事やら給仕に勤しんでいたように思うのだが、これも「昭和らしい親族、家族のあり方」だったように思い出される。

 

きっと幼稚園くらいの時だったと思うのだが、正月の昼間なのか朝からなのか、その日はテレビで「ドリフのコント番組」が放送されていた。

幼い僕はそれを見て喜んでいたのだけど、コントの中でドリフメンバーたちが演じる家族がすきやきを囲んでいて「肉ばかり食べるんじゃないよ!」とか「野菜も食べなさいよ!」みたいなやり取りがしていた。当時の僕は肉も美味しいけど豆腐も野菜も別け隔てなく好きだったので、コントのやり取りを理解出来なかったことを覚えている。

「家族みんなで囲む一番の御馳走」がすきやきである…という共通意識あっての時代のコントのなのだろう。今でも僕にとってはすきやきは御馳走であることには変わりないのだけど、その他にももっと美味しいものもあることをを知ってしまった。作る側からすると、すきやきよりもおでんの方が御馳走なのではないか?と思ったりもする。

そんなことを考えていると「正月の親戚集会のフィニッシュワークでのすきやき」というものは、割烹着を着たお母ちゃんたちも多少は楽を出来る、そして御馳走感に溢れる料理としての存在感も抜群だったので多用されるのだろうな…と思った。