クリスマスの朝

僕はキリスト教徒ではないのでクリスマスというものは浅ましい商業行事に過ぎない。ただ、街にクリスマスソングが流れ始めると何だかいいことが起きそうなワクワク感を覚え、嬉しくなってしまう「反射付け」をされている。

子供の頃は学校が休みになる初日であり、そしてプレゼントとして何らかの玩具が貰えるイベント。そしてハイカラな雰囲気に乏しかった我が家でもクリスマスソングがステレオから流れると何だかお洒落なウチになったような嬉しさ。そんな喜びがそこにはあった。

そして青年になるとクリスマスには女の子と過ごし、その前後には忘年会やらなんかのコンパやらナンパやらで酒を飲みまくったりとか、年末だからなのかクリスマスだからなのか、もう訳などどうでもいい感じで乱痴気騒ぎに喜んでいた。

そんなクリスマスに宗教的な意味など何もない。なぜならキリストと僕は無関係だし、そもそもキリストどころかブッタもムハンマドも大作も信仰していない。特に最後のやつは教祖本人はともかく、執拗な投票呼びかけをしてくる信者がウザ過ぎた。しかし、「幸せになったような気がする」クリスマスの雰囲気は好きだ。

クリスマスだからと言って、腐敗した政治が改善される訳でも無ければ、世に流行る疫病がなくなるわけでもない。この時期にボーナスが貰えるが、これは僕の給料が毎月会社に抜かれていてそれを年末に貰っているだけの事だからクリスマスとは何も関係ない。ともすると、クリスマス商戦の罠にハマってそんなボーナスを無駄遣いさせられてしまう人もいる。そうやって人から金を巻き上げようという商業イベントに過ぎないクリスマスだが、今日はその雰囲気を楽しみたいと思っている。

 

そんな日の朝食はインスタントラーメン。クリスマスとはまったく関係ないこんなものも「クリスマスの朝に食べている」と思うと格別に美味しく感じるのもクリスマスマジックなのだろう。