22年のシナチク

今年を振り返り、今年新たに取り組んだことを思い出してみると、そのひとつが「シナチク作り」だった。

年をとってくると色々な経験も増えてくる。すると初めて挑戦することというのも減ってくる。経験の豊富さに反比例することもあるけど、だんだんと面倒臭がりになってきて新たなことに挑戦しなくなってくる…という影響もある。人にもよるが、一般的には加齢とともに新たなことに挑戦すりこと自体が減ってくると言ってもいいだろうと思う。

さて、僕のシナチク作りに話を戻すと、今年は5月の下旬くらいに竹を採り、夏の間そいつらを乳酸発酵させて秋にはカラカラに乾燥させていた。

そして冬を迎えた一昨日、僕は乾燥したシナチクを水で戻し始めた。雪平鍋にお湯と乾燥シナチクを入れて沸かしていく。お湯は何度も取り替える。最初のお湯を少し舐めてみると凄くしょっぱいものだった。

グラグラとやること3時間くらい。その後は保温調理鍋に入れて一晩寝かせ、更に朝には再び沸騰させて保温する。そもそも筍というものが煮崩れるというのを見たことがないのだが、大根ならばトロトロになっているくらいの熱の入れ方だ。ジャガイモなら全てがポタージュのように溶けていることだろう。

そのくらい入念に火を入れたシナチクを今度はだし汁と醤油で煮込む。水で戻して塩抜きしている間から、少しずつシナチクを食べてみていたのだが、僕が丹精込めて発酵させたシナチクの大半が竹の繊維を沢山残していて、それこそサトウキビを囓った後のような繊維のカスが残る状態だった。

最終的にどうしたのかというと味付けしたシナチクを手に取り、繊維質が固くてそれこそ竹のスジが残っていそうなとこはハサミで切り落とした。だいたい節の付近は歯応えどころではなくサトウキビの繊維のような状態になっていることも分かった。それらを取り除くと食べられる箇所は半分弱。写真の左側が可食シナチクで右側は噛めば噛むほど竹の繊維が口の中に残る「絶対に食べたくないやつ」である。

結論を言うなら、今年のシナチク作りは失敗!あまりにも不味い竹の繊維部分を加えてしまったことが敗因だ。来年はこのあたりに改良を加えて朝鮮してみたい。