土用丑

7月も間もなく終わる。梅雨が明けてから日差しの強い夏らしいイイ日が続いているのだが、今年は海やプールにまだ行っていないことは、この間こちらにも記したとおり。

そしてウチの日照条件が最悪になっているため土用を迎えたというのに梅を干せずにいる。土用干しすべき…ということの科学的な根拠は知らないので、梅の土用干しは僕にとっては「気分がアガる」だけのものだし、まあ、秋らしい気候になるまでに干せばイイと思っているのだけど。

しかし、最悪なのはベランダ菜園の作物の状況だ。ベランダ及びマンションの外壁を塗装工事するものだから、作物全てが僅かな光しか差し込まない廊下に置かれている。このため、次々に作物が枯れていくのだ。あれだけふんだんに採れていた紫蘇も風前の灯というような有様で、枯れ果ててしまうのも時間の問題で「ほぼ死に体」という有様だ。僕がアメリカ人ならば、大家に対して莫大な損害賠償請求をすることだろう。

 

さて、作物の心配をしながら過ごしていたら丑の日を迎えた。昼前にスーパーの魚屋を覗いてみたら、予想を遥かに超えた「鰻セール」をやっていた。

この「予想」というのは、予想よりも遥かに安価で良質の鰻が売られていた…ということではない。平素見かけることのある中国産鰻は姿を消し、高価な国産のものが売り場の大半を占めるという光景に驚き、笑った。失笑だ。

写真に収めたL字コーナーだけでなく、他の店も鰻!年末の「蟹と本鮪ばっかりセールス」の比ではなく、「今日は鰻はしか売らん!日本人は鰻だけ食べろ!それも高価なやつを食べて我々魚屋を儲けさせろ!」という売り手の意気込みに溢れた光景だった。

バーカ、誰がこんな高くなったやつを買うか…と見向きもせず、僕はこれよって生み出された「安価で新鮮な鰻はの肝」を買って魚屋を後にしたのだった。