外で食べるラーメン

もう2週間前のことだが、ラーメンを食べた時のことをこちらに記しておく。

僕の住む町にも、チェーン店の「一蘭」がある。店が出来たのは10年くらい前だったろうか?オープンしてからこの店は大抵いつでも繁盛していて、店の外に列が出来ているのもよく見かけた。

そして、去年には町外れに2号店も出来たのだが、僕にとっては「この町になぜそこまでの一蘭需要があるのか?」全く理解出来なかった。僕は特にここのラーメンを美味いともおもわないからだ。

そんな大して美味いとも思わない店なのだが、この日は末娘と二人で訪れた。現在中学生3年生の娘は、外で豚骨ラーメンを食べたことがなかったのだ。

……と言うことで連れて行ったのだが、彼女には過去に美味しい豚骨ラーメンを食べさせたことがあったのを、今これを書いていて思い出した。マグロ丼が美味いラーメン屋である。これについては機会があれば別稿で。

僕が一蘭を食べるのも数年ぶりのことだ。入店して驚いたのは入り口の直ぐ側に券売機があって、店内で人が待てない様になっていることだ。大したことではと思うかも知れないが、これが行列のカギだったのだ。

ラーメンを食べたい客が券を買うには僅かな時間であっても店の外で待つことになるのだ。これにより少しでも人気店としての列を形成させることが出来る。これを狙っての作りに違いないと思った。

そこからは本当に何ということはないラーメンを食べただけだ。初入店の娘とはパーテーションで仕切ってある店構えやら「これら全てはラーメンに集中して貰うため」というゴタクについて話しながらラーメンを待っていた。

そもそも、他人の姿が見えたらラーメンの味が鮮明ではなくなるのか?僕においては「養鶏場のパーテーション鶏舎のようなスタイル」の方に違和感を感じ、それに気を取られてラーメンの味にも集中出来ない。どう考えても、ものを食べるのに自然な空間ではない。

そして、それらを正当化するような説明文句の数々。味が大したことないのだから、こうした説明であたかも凄いものを食べさせられているような催眠商法だ。違和感を感じるような変な閉塞空間に客はブチ込まれているのだから、こうした催眠暗示も効果的だ。

ラーメンは「素」のもので1,000円くらい。僕ら親子はデラックスに海苔とかキクラゲの追加もしたので一人1,600円くらいだったと思う。

不味くはない。一蘭という名店の名誉のためにもう一度言っておく。不味くはない!しかし、感動するはずなどない。美味くもないのだから!それでいて1,600円!これはスゴい。スゴいぼったくりだ。

 

経験のために連れて行った娘には「前述のような分析批判」は一切伝えていない。彼女独自のアンテナをフル活用して初めての一蘭を色眼鏡無しで感じ取って欲しかったからだ。

結論は「もういいかな。自分でおカネを払って来ることはないし、人が連れて来てくれるとしても、勿体無いから他のところで食べたい。」とのこと。娘が健全で的確な感性を育んでいることを確認出来たいう点で、一蘭に感謝する。