口が奢る

沼津に越してきて明日で4週間になる。

町には随分と慣れてきたな…と思う反面、未だに「この町の新参者である」という感覚は消えない。この町の有り様とか佇まいには違和感を感じず「まあ、そんなものだよな…」と自然に捉えられるようになってきたので、僕の環境順応性もしっかりと機能しているようだが、ここでの生活での勝手の変わりよう(簡単に言うと不便さ)には、まだ違和感を感じるのだ。それでも「もう1ヶ月の近くが過ぎること」には驚く。

さて、休日の今日も残務処理のために昼前から職場に行っていた。夕方帰宅して、今はウイスキーを嗜んでいるのだけど、どうも氷が美味しくない。

引越して来た日に冷凍庫がまだ機能していなかったこともあり、僕はコンビニでゴツゴツした氷、そして普段飲むものよりも数段上級のウイスキーを買った。当たり前に美味い。

3年前の4月に引越をした時にも「ゴツゴツ氷」を買い求め、その美味しさをこのブログに書いたことを覚えている。自宅冷蔵庫の製氷機能で使った氷と買ってきた氷を比較するのはナンセンスであることは分かっているのだけど、やはり買ってきた氷は美味い。

引越して来た日に買った氷は当たり前に美味しかったので、その数日後にも僕は仕事帰りにコンビニでゴツゴツ氷を買って帰った。それがなくなって数日は自作氷も使っていたのだけど、先週末に来客がある際に饗しの気持ちでゴツゴツ氷を買った。

大凡4週間で3度のゴツゴツ氷を購入。この間に僕の口はすっかりと奢ってしまい、こんやもゴツゴツ氷の美味しさが懐かしい有様だ。

人の順応性というのか、楽な方に流される「水は低きに流れる…」みたいなもののスピードに驚く。こんなスピードで沼津という町を不便に感じなくなればいいのに!そんなことを思いながら、柔らかな不味い氷でウイスキーを飲む。