モノの耐久年数

こちらは「FORZA」の記事で僕のスマホが推奨してきたものだ。この見出しには「かつては大いに賛同していた」のだが、それも全て正しい訳では無いと思ったことを記しておく。

 

12月の初旬に修理に出していた革靴が年明けに戻ってきた。15年くらい前に買ったはずだが、この靴にとってはこれが3度目のオールソールリペアになるのだろうと思う。

一度のソール交換にかかる費用は回を追うごとに増えていて、今回の修理には3万円くらいかかった。

25年以上前に買ったサイドゴアブーツも修理をしてきて今でも現役稼働出来るものとして靴棚にある。これだけの歴史を重ねた靴はそれなりに味があってカッコいい。しかし、よく考えるとこの靴を履くのは年に2度か3度くらいのように思う。ファッションアイテムとして僕の私服とのコンビネーションという都合もあるし、それと関係なく「古い靴なので履くとそれだけ傷んでいく」ということをどこかで気にしているようにも思える。

このブーツも「現役稼働出来るもの」なのだろうけど、実際には現役稼働しないのだ。僕がこれを履くのは年に2〜3回、これを現役稼働とは呼べない。こんな状態が何年も続いている。だから、25年前の靴がまだ棚の一角に居座れるのだ。

 

今回3万円かけて修理した靴は前回も5年前くらいに3万円くらいかけて修理した記憶がある。それから4年くらいでソールの糸が切れ、つま先がベロンと剥がれる状態だったので、「あっという間に壊れた」という印象だ。しかし、よく考えると、この靴の稼働率はとても高く、少なくとも週に2回は出番があったように思う。一年が52週間×週に2回×それを4年間→416!僕はこの4年の間に416回もこの靴を履いたことになる。

年に1,2度の出番しかないものとは比較にならない。これだけ履いていれば3万円の修理代を払っても仕方ないか…とも思うのだけど、僕はこの先、この靴の登板頻度を減らしていくつもりだ。この靴にもうこれ以上の大きな修理を施したくないからだ。

そう思うと仕事で使う革靴の耐久年数は10年程度だと思っておいたほうがいいのだろう。

僕はこの数年で「古着」をよく買うようになった。今から30年以上前の大学生の時は古着カジュアルにどっぷりと浸かっていて、アメ村やらそこらの古着屋で色々な衣類を買っていた。

それには勿論「安いから」という理由もあるのだけど、それ以上に僕にとっては古着のほうがカッコよかったのだ。新品で売られているのものは軽薄でダサいと感じる当時の流行りのフォルムだったり、素材が好きになれないものが多かった。勿論、安さもその魅力の一つだったが、今では買わないような高額なビンテージのデニムジャケットなどもよく買っていたので、特に安いから古着を買っていた訳ではない。

しかし、今現在の僕が古着を買うのは「やはり安いから」だ。ビンテージショップに行って「リーバイスの赤耳」とか「Leeの101」とかを物色する訳では無い。メルカリで程度の良さそうな安価な中古品を買うのだ。

これで探すと、ソールに対した損傷がないけど、幾分かの履き皺ができた靴なども新品の半額以下で手に入ったりする。中には新古品というものもある。

メルカリをはじめ、通販は現物を手にとって確認できないというデメリットはあるが、その品質とサイズ感も把握している「それまでも愛用しているブランドのもの」であれば、そのリスクを随分と軽減させる事もできる。

こうして見ていくと、新品ではないが決してボロくもない革靴が3万円程度で手に入る。僕が欲しがるレベルのものなので、もっと高価なものも沢山あるが、僕が惹かれないものだともっと安くに売られている。すると、修理をする費用で使用するには問題のない靴を新たに手に入れることが出来るのだ。

新品を買って1から育てて一生大切に使う…というこを否定しない。しかし、修理代の高さと中古品の安さを考慮すると、なにも無理に修理して一生使うこともないのではなかろうかとも思うのである。