飯と酒

「めし」というものは、ライスのことを指すこともあるし、食事のことを指すこともある。僕は前者については「飯」と言うし、後者のことは「メシ」と称す。

僕は来る日も来る日も「食べることのことばかり」をこのブログに書いているので、こちらをご覧になる方は「こいつはとにかく食い意地の張った奴だ」と思われるのだろう。

今日も夕食の時に思ったことをこちらに記すし、「僕の食い意地」については特に否定はしない。

今夜は22時前に仕事から帰還し、風呂に浸かってからメシ(食事の総称)を食べ酒を飲んでいる。今夜の献立はカレーライスだ。

普通の人の普通の日の食卓を生で見る機会など、今は本当に無くなった。SNSやらブログなど、なにかのネット情報で知らない人の夕食献立の写真を目にすることはあるが、目の前で人が「普段の夕食を食べる光景」など、もう何年も見ていないように思う。「人の普段の夕食風景を見る」なんて、珍しいものではないように思っているが、その実はすごく珍しいことなのかも知れない。

今から20〜30年くらい前、僕が若者と呼ばれるような時には、人の夕食時にその方のうちにお邪魔することも多くあった。

それは僕のデリカシーの無さがそうさせたことではあるが、今現在と比べると「夕食時にもお邪魔する」ほどの濃い交友関係とか人間関係の中で僕が生活していたようにも思われる。

そんな中で僕の記憶にあるのは「人は割とご飯(ライス)と酒を共存させて生活している」というで、そのことに驚いたように記憶している。

これは実際に僕が目にした光景なのだから、そしてそれは僕がお邪魔することを前提とした来客用の夕食風景でもなかったのだから、言わば「普段の食卓の抜き打ちチェック」だったのだとも思う。

勿論、これは当時の僕と同世代の若い人の食卓だったことも多いが、親戚やら何かでたまたまお邪魔したそれなりの年齢の方の夕食食卓でもそんな光景を目にすることがあった。

僕は酒も米の飯もいずれも大好きなのだが、それらを楽しむには基本的にこの2つの共存は難しいと思っている。

鮨屋で鮨を食べながら酒を飲むのも出来ることなら避けたい。鮨屋で酒を飲むなら、やはり刺身を中心としたつまみで酒を飲み、鮨を食べる時は酒をやめて熱いお茶と鮨を楽しみたいと思うのだ。

この話を先日、長女が遊びに来た際に 二人で話していたのだが、長女も僕の意見に全く同感…とのことだった。

そんなことを思いながらも、今夜は敢えて「カレーライスという王道のメシもの」とともにウイスキーを飲んでいる。

辣韮やら胡瓜の糠漬けやら、そして先週作ってまだまだ残っているポテトサラダなどをつつきながら酒を飲み、そして思い出したようにカレーライスの具材やらソースを中心に食べて酒を飲む。

そんなことをしながら同時にこのブログを書いているのだから、飯もカレーもすっかりと冷えてしまった。

しかし、カレーやメシの温かさの問題ではなく、やはり僕は「飯(ライス)と酒は美味しい組み合わせではない」と再認識したのだった。