続 春らしい食物

数日前、「てんや」で昼食を摂った。沼津やその周辺には「てんや」は存在しない。物質的に便利な都会にいる人には意外に思うことかも知れないが、日本の多くに地方には「都会ではそこらにある店」が無いのだ。

そこで見かけたメニューがこちら。

菜の花とイタヤガイ、いずれも僕の好きな食材だし辛子酢味噌も好きだから、今度作ってみようと思った。この店で頼んでも特に美味しくもないものが出てくるだろうからここでは注文しなかった。そして「辛子酢味噌がけ」ならば「ぬた」と言えよ…と思った。

菜の花は非常に春らしい食物ではあるが、実際によく出回るのはもう少し前のことで、暖かくなってきてからは屋外で黄色い花を咲かせる菜の花を見ることは増えるが、食材として出会うことは減ってくる。

そしてイタヤガイは基本的に冷凍モノなので本当は旬など関係ない。菜の花とイタヤガイを使ったものなんて、なんだか「すごく春らしい献立」ではあるが、その実はそうでもない。しかし、春に食べる貝を使ったぬたは本当に春らしさを倍増させてくれる食物だと思う。