外で弁当を食べること

昨日の昼間、久しぶりに外で弁当を食べた。…と言っても花見に出掛けて行楽弁当を食べるような雅やかなものではなく、昼に食べようと買った弁当を駅のベンチで食べるという、ごく日常の食事の場所だけが日常ではなくなったものだった。

列車の中で弁当を食べる光景は比較的よく見かけるが(これも特急列車に限るが…)、ホームのベンチで弁当を食べている人は滅多に見ない。僕は歩き食いとかそこらの面でものを食べることにおいて、特に人に迷惑がかからないなら何の問題もないと思っているのだが、駅のホームのベンチで弁当を食べる人はもっと増えても不思議ではないように思う。

この日の弁当は「鶏の照り焼き弁当」500円也。ものすごく美味しい!なんてことはないのだが、可も不可もないような弁当の味も食べる環境が新鮮だとなんだか美味いものを食べているように感じた。まあ、500円という値段のことを鑑みれば、とても良く出来た弁当なのだと思うが…。

 

そしてその翌日、今日もまた僕は伊東に出掛けた。伊東への列車は観光仕様の席の並びになっていて、海を眺めやすいように配置された座席ではちょうど昼時だったということもあり、多くの人が弁当を食べていた。

そんな伊東線の車中で、僕も弁当を食べる。

今日の昼食は自作のサンドウィッチ。薄切りの食パンにバターを塗りマヨネーズと辛子を塗り、厚切りの胡瓜とスライスチーズを挟んだものだ。

この「サンドウィッチケース」はシリコンでパンがプレスされるタイプのもので、保管性や携帯性のみならず、味の面でも高い能力を発揮する便利アイテムだ。気に入っているのだけど、僕にはそもそもパンを食べる習慣がないから、このところめっきりと使用頻度は減っていた。

素朴な味のするサンドウィッチを車内で噛み締めていると、大学生の息子の弁当のことを思い出した。2年前に大学生になった彼は倹約のために学校では自作の弁当を食べていた。

写真は2年前に息子から送られてきたものだが、飯を炊き、肉と野菜を炒めたものを飯の上にのせてタッパーの蓋を閉じる。大学生の下宿料理の典型のようなものだが、この弁当を学校に持参して校内のベンチで食べる息子のことを僕は誇らしく思っている。

この間の春休み、息子にこのところの弁当事情を聞いてみたが、大学生協の購買に安くて美味い弁当が売られているのを見付けたのでたまにはそれを食べるけど、まだ弁当持参生活は続いているとのことだった。

僕が車中でサンドウィッチを食べている頃、息子も大学のどこかで肉炒め御飯を食べているのかと思うと何だか嬉しくなった。