鰹節を削る

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この夏、鰹節を初めて削った。

これまで僕が口にしていたのは削った鰹節を袋に詰めて売っている削節である。それが「鰹削節」なのか「鰹節削節」なのかの差もあるということは、この夏になって知った。

これまでは鯖節が加えられていても、そいつで出汁を取れば「鰹節」で出汁を取った…と称していた。魚をカチカチに干したものをヒラヒラにおろしてあれば「鰹節」と呼んでいるのだから、大きなトンチンカンぶりである。


今回の「鰹の節」も荒節なのか枯れ節なのか細かに言うと、枯れ節を生まれて初めて自分の手で削って食べたのである。

きっかけは調味料のことを考えていてのことだった。
僕は「ポン酢」が好きで、もう15年くらい愛用しているものがあるのだけど、そのポン酢も「過剰に美味い」と去年くらいから感じていた。

湯豆腐を食べても、鰹を食べても、とても美味い。
豆腐に至っては、この何年も一丁38円のやつを食べているので、ポン酢の美味しさに相当助けられたものを喜んで食べているのだろう。

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そんなポン酢の原材料を見てみると、やはりアミノ酸調味料が加えられていた。そりゃ美味いはずだ。

しかし、この先はアミノ酸の助けを借りるとことなく、美味いポン酢を食べたい。ならば自作だ。それにはまずは土佐醤油を作るところから始めて見ようではないか!…と思い、本枯節を探し始めたことが発端だ。

本枯節の削節は僕が利用するスーパーには多く置いていなかった。そして、当たり前なのだけど割と高かった。

ならば!と鰹節を買い、鰹節用のカンナを買い、鰹節削節デビューしたのが、つい先日のことである。


おろしたての鰹節はやはり美味い。削節とは別の食物だと思った方がいい。味わいだけではなく、香りからして違う。

…そんな、食通じみたことを言ってみたいものだが、正直なところ、僕のバカ舌ではそこまでの味の差は感じない。

燻製の香りは格が違うほど香るので、おろしたての鰹節をそのまま食べるとドライなハムのようなものを食べているような気分にもなる。普段いつも飲んでいる安物ウィスキーではなくて、ちゃんと香りのするウィスキーにもよく合うと思った。

これに慣れた時、これまで親しんでいた削節をどう感じるのか?慣れないカンナ作業を行いながら、鰹節と向き合っていきたいと思う。