夏と秋の間に

もう秋なのだけど、気温も湿度も高い日が続いていて、当分秋らしい格好をすることもなさそうだ。今日も短パンとビーサンで一日過ごした。

毎年思うことなのだけど、季節の端境期が年に4回ある中で、僕は「夏から秋への時期」が一番好きではない…と思っている。まさに人の好みそれぞれなのだろうけど、次の季節である秋をがやって来るワクワク感はあるものの、残暑のうっとおしさが秋の訪れを待つ雅やかな気持ちを崩しているように思うのだ。

…と、ケチばかりつけていても気候や気温が変わる訳でもない。これが季節なのだと受け止めて、そいつをどう楽しむか考えねばならんのだ。


さて、端境期というのは僕の食卓にも夏と秋のものが入り交じる状況をもたらす。

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今夜の献立は「冷やしトマト、胡瓜の漬物二種」そして「鰤大根」である。


まだ暑いのに何と季節外れなものを???
なんて感じる人もいるだろう。
僕も9月に鰤大根を食べるとは思ってもいなかったし、そんな献立を見れば「先取りにも程があるだろうよ…」と呆れたに違いない。


スーパーに出掛けたら、型のいい大根が安かった。そして、魚売り場を見ると美味そうな鰤の粗が安くに売られていた。これだけのことだ。

いずれの食材もパッと見て美味しそうだったので、あと安価だったので迷わずに買った。大根はおろしても美味そうだったし、味噌汁にしても良いかと思っていた。鰤大根のために買ったのではない。

大根を買物カゴに入れたあとで鰤を見つけた。これも明確にどう料理しようとは考えず、美味そうだったのでカゴに加えたのだ。


ウチに帰って「鰤大根」を作ろうと支度に取り掛かった時に気が付いたのだけど、2つの食材はいずれも北海道産のものだった。

北海道が北にある…というだけで乱暴な理屈ではあるが、ここと比べると北海道は特区に秋がやって来ているのだ。鰤と大根を食べたいような秋の深まり方なのだろう。

そう言えば、この数日、北海道で鮭漁に出掛けたら鮭は捕れないのだけど鰤が豊漁だというニュースを見た。そんな北海道の豊漁具合が遠く離れた僕の食卓にも影響を及ぼすとは全く考えていなかった。


夏の終り…と言うか、秋の始まりの鰤は冬のもののようなこってりとした脂はないが美味しかった。大根は煮方が浅かったようで、まだガシガシしていてそんなに美味しくなかった。これは僕の料理技術の問題だ。

だんだんと夏らしいものは姿を消して、食卓も秋らしくなっていく。