冬支度③

毎年、秋の終わりに白菜を漬け込む。これは年末〜年始にかけて美味しい白菜漬けを食べたいからだ。

白菜漬けは奥深いもので、軽く塩味がついたくらいの浅漬を好む人もいる。市販の白菜漬は大抵のものが塩だけではなく沢山のアミノ酸調味料などの化学調味料に浸したものだから、これらは漬物と言うより「化学調味料おひたし」と呼ぶ方が正しい。そしてそんな化学の味を「冬の味覚」として喜ぶ人も多いようだ。

僕は塩だけで白菜を漬け込む。2〜3週間すると一応漬物になるのだが、そこからの熟成期間を経て酸味が旨味に変化するあたりからが白菜漬の真骨頂だと思っている。例年、11月の下旬に白菜を漬けるのだが、今年はトランペットやら仕事やらで慌ただしく過ごしていて白菜を漬けていなかった。先週、白菜買いに出かけたのだが、その日は高いものしかなかった。大振りのものが一玉200円以下にならないと白菜のシーズンが始まった気にならない。

一玉150円で買ってきた白菜2つ。これらを縦に切り分けて塩をまぶして重石をしておくだけ。漬物つくりが好きだというと「どれだけ凝った準備をして、途中どけだけ漬物に気を使っているのだろう?」と思う人が多いように思う。漬物なんて、やり方さえ知れば何と言うこともない作業だ。だからと言って気を遣わなくてもいい訳では無い。

成長を見守りながら、過保護にはならないように適度に放置する。必要があれば手を貸す。子育てのようなものだ。