夏の思い出

今日は特に尾瀬のこととか水芭蕉のことを書くのではない。ごく個人的な「夏になると思い出したこと」というか「夏の出来事を思い出させてくれたこと」を記しておく。

今夜は酒を飲まずにさらっとメシを食べてグダグダと過ごしている。特に見るわけでもないのにテレビをつけていたら「ナウシカ」が始まった。この夏、宮﨑駿のアニメ映画が公開されるのに合わせて3週間連続でジブリを放送する!とのことだった。

「3週連続でのアニメ放送」という言葉を聞いて思い出したのが、子供の頃にアニメの特番を楽しみにしていたことだった。もう40年以上昔のことになる。

僕が子供の頃なんて、大型のアニメを見る機会など滅多になかった。そもそも家庭用のビデオデッキなどないのだから、見たい時に見たいものを見るなんて発想すらなかった。だからなのか、年に一度か二度くらい見る機会のあるアニメ映画(というか「マンガ映画」と呼んでいた)は、どれもとても面白くて僕だけではなく町のみんなが楽しんでいたように思う。

そんなマンガ映画欠乏状態でテレビで2時間とかマンガばかりやるとなると、それを数日前から楽しみにして、その夜は早めに風呂に入るとか準備万端でテレビの前に座ったものだ。そしてそんな「子供マンガ大会」みたいなプログラムは夏休み前とか夏前半の子供のワクワク加減が高数値を維持している時期に編成されることが多かった。

今と比べたら圧倒的に娯楽の少ない時期のことだ。娯楽コンテンツが増えて、それらをいつでも個人が見たい時に楽しむことが出来る、それも無料とか安価で。

便利になることは大きい。しかし、不便だからこそのありがたいこともある。そんなありがたさと相まって、夏前のマンガ大会は夏の盛り上がりを爆裂させるものだったと思い出した。