不味いものをどうにかする

「鮑の肝」とともに静岡の魚売り場では色々と買ってきた。港町沼津…と言われるものの、そこに住む僕は沼津界隈の魚屋で美味そうなものが売られているを見たことがない。

沼津で獲れた魚を求めているわけではなく、どこ産の魚でもいいから美味しそうなものを買い求めたいだけなのに、それすら叶わない状況だ。

そんな折に数々の美味そうなものを目にしてしまったので色々と買ってしまった。その一つが平目の切身である。

大振りのものが500円!まじかよ⁉と思って買ってきたこれが特に美味くなかった。

平目に対しての期待値が大きすぎたのかも知れない。夏場の平目を「猫またぎ」と呼ぶが、それでも平目は平目である。冬の平目と比較すればそれは不味いだろうが、そんなことを織り込んでもそんなに美味い刺身ではなかった。水っぽくて旨味どころか魚の味が薄いのだ。

これこそ昆布締めにでもすればよかったのだろう…と思うような水っぽさだったが、既に刺身に引いていた。これらを少しでも美味しく食べるにはやはりこれだ。

湯漬けにして食べる。こうすると刺身では感じ取れなかった旨味がしっかりと味わえる。上品な甘みまで楽しめるから不思議なくらい。

僕が単に刺身の茶漬けを好きということもあるだろうが、買ってきたものはとにかく少しでも美味しく食べたい。

傷んでもないものを口に合わなければ平気で捨てる人もいるが、「不味いものもどうにかする」という行為の中にも工夫のしどころなど、楽しむところは多くある。簡単にに捨てるということは、ものを考えることを放棄しているようにしか見えない。