停電の夜に思うこと

先週のことだが、帰宅して酒を飲んでいたら突然停電になった。

「酒を飲んでいたら」というのは、僕にとってはの夕食のことであり、「メシを食べていたら」と置き換えても問題ない。時にメシ=ごはんを食べることもあるが、基本的には酒が主食で主菜とか副菜を食べているということが多い。

さて、そんな僕の食生活のことはどうでもい。今日は停電について記したい。


仕事から帰宅して程々に酒を進めていた時だった。その夜は雨が降っていて時折、雷の音も聞こえてきていた。夜21時を迎える頃に、突然部屋の電気が消えた。

最初はブレーカーが落ちたのかとも思ったが、なにも電力を食うようなものは使っていない。すぐに部屋の外を見てみるとあたり一面が暗くなっていたので停電だと気づいたのだった。

この数年、瞬発的な豪雨のニュースも多く、各地で停電しているというようなこともよく聞くので、僕も度々停電に遭っているような気でいたが、よく考えると停電の記憶など、もう何年もない。自宅が停電するなんて10年以上体験していなかったのではないか?

そんな停電とは縁のない生活を送っていたのだから、停電時のいざという時の備えなど何もなかった。…と言ったところで、スマホがあればとくに照明道具も必要ではなくなるし、暗さよりも何よりも、まだ暑い夏な夜の出来事だ。エアコンが止まって室温が上がって行くことが一番嫌だった。

スマホのライトもあるのでそんなに暗くもない部屋を探してみると、誕生日ケーキ用の細いローソクを見つけた。

誰の誕生日でもないけど、そいつに灯を点してそれまでと変わらないように酒を飲み始めた。電気がなければ音楽もかからない。前述の通りエアコンも付かないし明かりも充分ではない。

結果、20分後には電気が復旧していつもの夜が戻って来たのだけど、電気がないなら別に暗いところで酒を飲めばいいだけだ。音楽が聞きたいなら、口笛でも吹けばいいさ。暑さだけはどうにもならないので観念するしかない…。

そんな「なすがまま」のようなことを考えていたのだけど、翌日にはローソクを買ってしまった。