鮭を食べながら酒を飲んで…

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数日前に秋鮭が安くに売られていたので買ってきた。

とても安くに売られていたので「これこそ旬の恵みだ!」とばかりに買っては来たものの、こいつがそんなに美味しくもないことは経験的に分かっていた。

切身を買ってきたので一片は塩をかけて数時間置いてから焼いて、その日のうちに塩鮭として食べたのだけど、予想通り大して美味しくもないシロモノだった。残りのものは多めに塩を振り掛けて酒粕に漬け込んで、数日経過した今夜、焼いて食べた。


数日前に食べた塩鮭と比べるとそれは美味い。
しかし、酒粕の力によって下駄を履かされた「あからさまな旨味」があるように感じてしまい、この食べ物を心の底から美味いとは思えなかった。


大人になってから手軽に買えるようになった「サーモントラウト」のベシャベシャな脂に馴れてしまったのだろうか。安価に売られている秋鮭を食べても、子供の頃に食べていた凄く塩っぱい塩鮭のような美味しさは到底感られないように思った。

この時期、スーパーでは秋鮭が安くに売られている。
これらを美味しく食べられないのは悲しいことだ…と思ったので、秋鮭について少し調べてみた。



すると、発見の多いこと!

おそらく幼い頃に僕が食べたことのある塩鮭はきっと「塩引き」と呼ばれるものだったのだろう。塩蔵した鮭を熟成させ、旨味を引き出した「ある意味発酵食品」である美味い鮭を食べていたようだ。

鮭に塩をして、熟成させてアミノ酸等の旨味成分を増加させる。燻製にする塩漬け肉の旨味を増幅させる作業と変わりないし、漬物の乳酸発酵と同様の原理である。

時折、貰い物で食べる新潟村上の美味い塩鮭も、この原理によって旨みが増幅されているのだった。

これを知って、この秋は「安価な秋鮭」と徹底的に対峙しようと思った。塩をして熟成させて旨味を引き出す。常日頃から他の食材で取り組んでいる一番好きな作業ではないか!

経過と結果はまた報告する。
安価な秋鮭をどう評するか?御期待いただきたい。