今年の梅干し 中間総括

梅雨が明けて一週間になる。

梅雨明け以来、本当に夏らしいいい天気が続いていて、夜眠るときも毎日エアコンをつけている。

梅雨明けのその日から干し始めた梅も順調に梅漬けから梅干へと成長している。この梅干しが、酸味と塩味が馴染み始めてある程度美味しくなるのは年が明けてからになる。そして、時間の経過とともに味が良くなるそうだ。辰巳浜子先生の著書では「3年経ってからようやく食べられる…」みたいなことも書かれていた。

そんな具合だから、今年の梅干が上手くできたかどうかは、当分先にならないと分からない。熟成するまでの期間を含めて梅干を完成させるには長い時間がかかるのだ。あくまで途中経過になるのだけど、今年の梅干作りについて振り返ってみる。


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梅雨が明けてからずっと干している梅も3巡目となった。去年漬けた梅が美味しくでき、人にあげても好評なので、今年は梅の量を増やしたのだ。

梅を干す大笊はひとつしか持っていないので、3度に分けて梅を干すのだ。一回あたり三日三晩。4度目は紫蘇を干してゆかりをつくることになるだろう。紫蘇はカラカラになるまでに梅よりも時間がかかるから、一週間くらいは干しておくことになりそうだ。

今年の大きな失敗は、梅を完熟させることに力を注ぎすぎて、熟れさせすぎたこと。黄色く柔らかくなった梅は甘いフルーティな香りがして美味しそうなのだけど、凄く柔らかくなる。すると、塩漬けしているうちに皮が簡単に破れるのだ。青く固い梅は不味そうだが、黄色く柔らかすぎても良くないと思った。

ただ、これは仕込み過程の扱い易さの話であって、味自体にどれだけの差が生まれるのかは、まだまだ先にならないと分からない。

塩漬けの過程でも失敗があった。
塩につけてから数日放っていたため、あがってきた水に浸っていない梅が傷んだのだ。

ビニール袋に水を詰め、重石にしておけば良かったのだが、これを数日忘れていた。そのせいで最初に漬けた完熟梅は3分の1くらいを捨てることになった。

これでは梅が足りなくなる…と懸念して、梅を買い足して増産しているが、後発で仕込んだ梅は熟れさせ過ぎることもなく水袋重石もすぐにしたので、後発梅は極めて順調に処理できた。


梅を干す過程について、今年はクッキングシートを使っている。去年は梅の皮が笊に張り付いて、皮が破れてしまうものもあったのだが、クッキングシートを敷くとそれが緩和される。もともと、塩漬けの過程で皮が破れているものがとても多いので、干しているうちに破れたものがどのくらいになるのかはよく分からないけど…。


あと、梅を干していると梅が乾いていく過程が気に掛かり、ベランダに梅の様子を見に行くことが増える。朝、日が昇る前に梅を見るとうっすらと濡れている。本当にうっすらなのだけど、朝露なのだろうか?それとも朝方に多少は気温が下がることにより、梅の内部から水分が滲み出てきているのか?

日中に梅を触ると相当に温まっているが、朝の梅はひんやりとしていて柔らかく、心地よいような不気味なような…表現できない手触りである。

日が登る前のベランダは「夏の朝の匂い」がする。
子供の頃にラジオ体操に行くときに感じていた匂いだ。幼い頃によく嗅いだこの匂いを久しぶりに感じ取ったのは、去年夏の旅行の時だった。

あの旅行から、もう一年が経つ。そして、不安なオリンピックも開幕する。そんな朝であっても、僕はいつもと同じように梅の世話をする。