梅を干す。

なんだかバタバタと過ごしているうちに今年も12月になっていた。あと一ヶ月もすると正月も明けてしまう。時間の流れの早さにはいつも驚かされるばかりだ。

さて、年末も迫った11月の下旬に僕は梅を干した。今年の夏は住んでいたマンションの外装工事があった。一番夏らしい7〜8月の2ヶ月間は窓を開けることすら出来ない状態で、塩漬けした梅を干すことなど到底出来なかったのだ。

梅を干せなかったどころか、8つもあったプランターも日照が足りずに全て枯れたし、山椒やカレーリーフといった鉢植えまで被害を受けた。これには閉口どころか大いに憤ったのでマンションの大家に家賃の減額交渉をしたが、仲介の不動産屋もフヌケの無能なやつだったので金を取ることは出来なかった…。

閑話休題。12月に梅を干す…なんていうのも頓珍漢なことだと思うが、これまで干していなかったので仕方ない。このまま放っておくと塩漬けの梅を駄目にしかねないから、ベランダに干した。

しっかりと干した梅干には太陽の味がする…みたいな宗教じみた感想というか売り文句を過去に見たことがあるが、太陽光に当てることにはどれだけの意味があるのだろうか?

去年や一昨年に干した梅は梅雨が開けて夏真っ盛りのギラギラの太陽光をしっかりと浴びていた。気温の高さも鑑みると、梅の皮の中は煮えていたのではないかと思うくらいだし、紫外線によって相当に日焼けしたはずだ。

こうした加工が梅干の味にどう作用するのか僕には分からない。そもそも市販されている工業製品的な梅干は太陽光を浴びているのだろうか?手作りのものがだけだけのシェアを占めているか知らないが、工場で送風機からの風に当てて乾燥させるだけという梅干もあるのではなかろうか。

冬に干した梅の味はどうなるのだろう?そんなことを考えながら、天気の良い日が続いているので5日ばかりベランダに放置している。そろそろ取り込んで一度に干せなかった残りのものを干そうかと考えている。