昭和後期のメシ

昨夜のことだが、久しぶりにオムレツを食べた。

卵を溶いて塩と胡椒を加えてバターでさっと作るプレーンオムレツはたまに作る。ただこのタイプのオムレツを食べる機会も久しくなかったのだが、昨夜僕が食べたものは、薄焼きの卵で具材を包んだ「昭和のおかずタイプ」のものだ。これはプレーンオムレツよりもずっと長いこと食べていない。こうしたオムレツを食べたのは本当に久しぶりのことだ。


僕の中では「ちゃんとしたオムレツ」と言うものは卵本来の味を楽しむプレーンオムレツだと思っているので、厳密に言うならば「ちゃんとしないオムレツを食べたのは随分と久しぶりのことだ」になる。


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「ちゃんとしないオムレツ」と言うものは、具材として挽肉と玉葱と人参、場合によっては細かに刻んだ馬鈴薯なんかが塩胡椒で炒めて味付けされていて、それを卵で包んでケチャップをかけて仕上げたものだ。これが「正調のちゃんとしないオムレツ」だと僕は断定したい。

昨夜僕が作ったものは、冷蔵庫に残っていた挽肉が悪くなる前に消費しないといかん…と、これまた余り物のキャベツやニラと適当に炒めておいたテキトーな野菜炒めみたいなものを包んだものなのだから「更にちゃんとしていないちゃんとしないオムレツ」だった。

あまりに洋食感がないので冷凍のグリーンピースを具材として足したのだけど、だからといって「ちゃんとしないもの」であることには変わりない。

この手のオムレツを自分で作った記憶は殆ど無いし、食べたのは実家を離れてからほぼ初めてではないだろうか?

しかし、実家にいる頃、それも子供の頃は比較的よく食べていたように思い出す。そしてそんなオムレツは僕の好物でもあった。


そして、安く買えて、使い勝手も良かったのだろう。僕が子供の頃の家庭料理には挽肉を使った物が多く登場していた。コロッケ、ヤキメシ、そしてオムレツ。いずれも昭和のテイスト溢れた子供にとっては御馳走である人気献立だった。

令和の世に生きる今の子供たちも、お母さんが作ってくれたこうした昭和御馳走を食べているのだろうか?