昨夜、19になる長男の誕生日祝いとして御馳走を支度した。
外で食べるよりも何倍も安く、そしてテキトーな食物屋であれば、そんなところの味は遥かに凌ぐくらい美味しいものを僕は用意できる。
楽しく美味しいものを食べる……そんな希望を満たすのはウチの食事ではなく、外食の方だった。特に子供の頃なんて「外食だと何を食べても美味しい」くらいに思っていた。
そのくらい僕の育った家庭の料理が大したこともなかったのだろうが、今では僕は「僕が自宅で作る料理」がとにかく好きである。
料理の腕も関係はあるが、寛ぎながら食事をする点においては、店よりも自宅リビングの方が快適だということも大きい。僕の経済力にとっては余程、過分な店を選ばない限り、自宅を上回る食事環境には巡り合わない。
そして、その価格!
外で飲む酒は大して美味くないものであっても、なぜあんなに高いのだろう?って、答えは簡単で、大した設えでもない店舗の家賃とか大して美味くもない料理を作る料理人とか好感度も殆ど無い接客スタッフの人件費を賄う為だ。
そんなことを考えると、外食なんてほぼ苦痛のような出来事になるので、ちゃんとした時こそ自宅での食事を求めるようになるのである。そして、そんな感じで皆が集まるときの家庭御馳走の代表格が天麩羅である。
旬を迎えた夏野菜を中心とした天麩羅を食べさせる為に、朝から農協に出掛けて美味そうで尚且安価な野菜をどっさりと買って来た。
野菜は万全、しかし魚介は今ひとつだった。
海老もとても高い。そのほか、キスやイワシを探したが、輸入の冷凍物だったり形が良くなかったりで、スルメイカだけを買ってきた。
昨夜の天ネタはこちら。
アスパラガス
茗荷
茄子
オクラ
……と、ここまで食べたところで終了。
一品ずつ揚げて、数個ずつ感想を喋りながら食べていると、意外に早く満腹になってしまうのだ。と言っても満腹になったのは子供たちであり、僕はひたすら天麩羅を揚げる役回りだ。
この後で
紫蘇〜椎茸〜烏賊〜インゲン〜サツマイモ
…と、続けていくつもりでいたが、そこまで行き着かなくとも夏の天麩羅を堪能した。
多めに揚げた天麩羅は子供たちに「明日の朝にでも天とじ丼にして食べると美味い」と、土産に持ち帰らせた。楽しい夏の夜だった。